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レジェンドな経営者と反面教師の本音ブログ

情報の遮断要因とは!?

2013年10月18日

前回は、
なぜCEOに情報が遮断されるのか?
その要因は、どこにあるのか?
というテーマを投げかけ、経営者の方々に、以下の自問自答をお願いしました。

 

①自分は現場の重要な情報をどこまで把握できているのか?
※「自分が知りたい情報」、「実際に知っている情報の量と質」、「情報を得るタイミング」で考える。

 

②情報が遮断されているとしたら、その要因はどこにあるのか?
※「自分側の要因」と「自分以外の要因」に分けて考える。

 

今週は②の情報の遮断要因について、事例を交えて深掘りしたいと思います。

 

こんな実話があります。

ある会社の経営者がITシステムに関するセミナーを定期的に開催していました。
受講者にはセミナー終了後にアンケートを書いていただくことになっていました。

セミナー終了後、側近社員から経営者へ渡されるアンケートは、いつ見ても「大変参考になった」という内容のものばかりでした。

 

皆さんもイメージできると思うのですが、
日本人はこの手のアンケートには非常に寛大で、あまりネガティブなことを書こうとしません。

 

①大変参考になった
②参考になった
③どちらでもない
④あまり参考にならない
⑤参考にならない

 

このような選択肢を設けておくと、受講者の回答は概ね①か②に集中し、

自由記入欄も当たり障りのない無難な内容がほとんどです。

 

しかし、稀に厳しい回答をする方もおられます。

 

「内容が抽象的で参考になりません」

 

「前回と異なるテーマだと案内されたから来たのにほとんど同じ内容だった」

 

「話し方が上から目線で聞いていて気分が悪い」

 

 

セミナー講師からすれば「手厳しいご意見」ではありますが、

 

 

「もっと具体的な内容を盛り込もう」

 

「内容にバリエーションを持たせよう」

 

「受けて入れてもらいやすい話し方をしよう」

 

というように、

謙虚に受け止めればセミナーの品質を向上させる「ありがたいご意見」にもなるわけです。

 

しかし、

謙虚に受け止める器が無ければ、

このような顧客の「ありがたいご意見」は全て抹殺されることになります。

 

この実話に出てくる経営者は謙虚さが全くない傲慢な人だったため、

セミナーアンケートのネガティブな意見は、ことごとく抹殺されていました。

 

たまにアンケートの中に手厳しい回答が出てくると、

途端に不機嫌になり、側近社員たちに散々気を遣わせるような経営者でした。

 

結果、どうなったか・・・。

 

側近の社員たちは、
セミナー終了後に回収したアンケートの中にネガティブなものを見つけると、

そっと破棄するようになりました。

 

そして、

「今回のセミナーも非常に好評でした!」

とネガティブな情報を隠して報告するようになりました。

 

これで、セミナー講師である経営者も嫌な思いをせずに済みます。

側近社員たちも気を遣わずに済みます。

全てが丸く収まります。

 

顧客に目を向けないのであれば!! ですけど。

 

また、この実話の場合、多くの社員も同じ感想を持っていました。

 

「内容が抽象的で分かりにくいな・・・」

「毎回同じような内容で進歩がないな・・・」

「話し方が上から目線で顧客は気分を害しているだろうな・・・」

 

顧客のネガティブな意見すら受け止めることのできない器の小さい経営者が、

社員のネガティブな意見を受け止めることなどできるはずがありません。

 

結果として、

 

「ネガティブな情報はできるだけこの人(経営者)の耳に入れないようにしよう」

 

という企業文化となり、見事な裸の王様ができあがるに至ったということです。
裸の王様になってしまうと大切な情報は全てお化粧されて届くようになります。

 

なぜ売上が落ちているのか?

なぜ社員がすぐに辞めてしまうのか?

リーダーに相応しい人材は誰なのか?

顧客はどのようなニーズを持っているのか?

 

裸の王様に真実は見えません。

 

もし情報が遮断されていると感じておられるのであれば、

まずは「自分側に要因があるのではないか?」とお考えになることをお勧めいたします。

 

※次回の更新は10月25日(金)です。

 

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