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経営者は割に合わない!?
2013年08月23日
私が最も尊敬している経営者は、京セラ創業者の稲盛和夫さんです。
ご存じの方も多いと思いますが、KDDIの前身である第二電電 (DDI)を設立したのも稲盛さん、壊滅的な状況に陥ったJALを再建させたのも稲盛さんです。
まさに経営の神様として日本中、いや世界中の経営者・ビジネスマンから尊敬の念を集める稲盛さん。
私は26歳のときに稲盛さんの著書を初めて手に取り、それまでの価値観が音を立てて崩れ落ちるぐらい感動し、短期間で稲盛さんの著書を全て読み漁るという経験をしました。
繰り返し、繰り返し、稲盛さんの著書を読むうちに、「たった28人からスタートした京セラが、世界的な企業にまで登り詰めた本当の要因は何なんだろう?」という疑問が強くなり、
どうしても稲盛さんの作った会社で働きたくなりました。
30歳のとき、京セラの子会社に転職しました。
配属は稲盛さんが生み出した「アメーバ経営」という経営手法をコンサルティングサービスする事業部でした(現在、分社化)。
間接的にでも稲盛さんの教えを受けることのできる喜びで、夢のような毎日を過ごしていましたが、あるとき稲盛さんの言葉でハっとする瞬間がありました。
「経営者という職業は割に合わない・・・」
それまで「経営者になること」を夢見て生きてきた私にとって、この言葉は衝撃的でした。
「わ・割に合わない??」
未熟者の私は、「経営者って最高の権力を持っていて、給料も一番高くて、トーゼン会社で一番の幸せ者でしょ!?」ぐらいに思っていたので、
「経営者が割に合わないなら、いったい誰が割に合うんだぁぁぁ!!」と素直に疑問を感じたのを今でもよく覚えています。
でも、今ならハッキリと言えます。
「素晴らしい経営者であればあるほど、経営者という職業は割に合いません・・・・」
とても謙虚で、お客様の役に立つことに信念を持ち、社員を守る覚悟がある経営者。
経営に対して厳しい姿勢を持ち、ときには社員を厳しく指導し、ときには家族以上の愛情を注ぐ経営者。
この素晴らしい経営者は、人格が高いゆえに人一倍責任感が強く、社員の人生、取引先の運命を一身に背負う覚悟でド真剣に経営に取り組みます。
文字にするとシンプルです・・・。
でもシャレにならないぐらいこの責任は重いはずです。
これだけ重いものを背負って経営に向き合うわけですから、きっと何をやっていても経営のことが頭から離れないでしょう。
真剣に経営のことを思えば思うほど、ド真剣に経営に取り組めば取り組むほど、この思いを痛感することになるのではないでしょうか・・・。
「経営者という職業は割に合わない・・・」
割に合わないことを承知の上で、高い志を持つ人が、自分の人生を賭けて就任する職業。
それが経営者なんだと思います。
逆に、私が反面教師にしている経営者。
「なんでこの人はこんなに傲慢なの?」
「なんでこの人は自分の給料を社員に自慢するの?」
「なんでこの人は女性社員に手を出すの?」
このような疑問がわいた経営者は、
「経営者という職業はサイコーだぁ~! 俺が一番偉いんだぁ~!」
という雰囲気で毎日過ごしていました(笑)
あなたはどちらの経営者を尊敬しますか?
そして、
あなたはどちらの経営者になりたいですか?
大事なことを教えてくれた稲盛さんに心から感謝です。
「割に合わんなぁ~」と感じることができるぐらい、ド真剣に経営に打ち込みたいものですね。
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