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営業の仮説力とは!?⑭
2015年02月27日
先週の「拝啓 経営者様本音ブログ」は、
読み切り番外編として『「2・8の法則」はどこにでも存在する!?』をお送りしました。
想像以上にご好評いただいたので、今後も読み切り番外編をちょくちょく挟んでいきたいと思います。
それでは「営業の仮説力とは!?」のシリーズに戻りましょう。
前回の「営業の仮説力とは!?」では、
①ビジネスチャンス(具体的な案件)を創出する
②案件を前進させる
③クロージングする
という全てのフェーズに共通して必要となる以下の「仮説力に基づく営業の5つのアクション」のうち、
「聴くこと」
「見ること」
「説くこと」
「推すこと」
「察すること」
「説くこと」に焦点を当てて掘り下げていきました。
お客様の心境を「聞いてみたい」に誘導するための布石の一つとして「会社説明」 を取り上げ、「会社説明」を行う目的は「お客さんが関心を持ちそうなポイントを探ること」だと述べました。
「会社説明」という一見当たり前とも思える行動であっても、その行動の中に「仮説」が存在するかどうかで、結果は大きく変わってくる、ということでしたね。
今週も引き続き「説くこと」について考えていきたいと思います。
繰り返しになりますが、営業の現場でお客様に何かを伝えたいときは「お客さんが関心を持ちそうなポイントを探る」という「ブレない信念」が必要です。
これは「会社説明」だけに限らず、自社の商品・サービスを説明するときも同じです。
「自分が何を伝えたいか?」 ではなく、「相手がどう思うか?」「相手がどう受け取るか?」「相手は何を求めているか?」を優先させる、ということですね。
この「ブレない信念」が大前提にあればこそ、
「自分が伝えたいこと」が「お客様に伝わる」ということになるのです。
次に「お客様に伝わる」としたら、
「何を伝える必要があるのか?」を考えなければなりません。
「営業に行ってお客様に何を伝える必要がありますか?」
営業パーソンの方々にこう質問すると、概ね回答は次のようなものです。
「自社の商品・サービスの魅力を伝えています」
確かに商品・サービスの魅力を伝えることは重要なのですが、ポイントは「なぜ魅力を感じてもらえるか?」なんですよね。
つまり、
「この商品・サービスの魅力を教えてください」
という依頼に対して、通り一遍の説明をするのはナンセンス、ということです。
「目の前のお客様にとって何が魅力になるのか?」を見極めながら説明することが重要なんですよね。
従って、
「営業に行ってお客様に何を伝える必要がありますか?」
という問いに対しては、
「そのお客様にとって自社の商品・サービスの何が魅力なのかを伝えています」が正解なんです。
別の表現を使うと、
「お客様が魅力を感じるように、お客様のニーズと自社の商品・サービスとを結びつけるポイントを伝えています」ということです。
少し分かりにくいかもしれませんが、
「自社の商品・サービスの魅力を伝えています」という回答と、「自社の商品・サービスにおけるお客様が魅力を感じるポイントを伝えています」という回答は、
似て非なるものだということですね。
また、
「何を伝える必要があるのか?」の中には、「自分が何を伝えたいか?」を優先させるべきものもあります。
それは、
自社の「ビジョンや理念、考え方」です。
企業は「法人」と表現されるように一種の人格を持ちます。
つまり、
「どういう考え方を大切にしている企業なのか?」
を伝える、ということです。
この「企業としてのビジョンや理念、考え方」を社員がどれだけお客様に伝えられるかどうかで、その企業の人材育成の質が見えてきます。
更にもう一つあります。
それは「自分」です。
営業パーソンは企業に所属するとはいえ、1人の人間であることには変わりはありません。
つまり、
ビジネスは「人」対「人」である、ということです。
この観点に立てば、
自分自身が1人の人間として、どういう考え方を持ち、どういうスタンスで仕事をしているのかをお客様に伝える必要がある、ということです。
営業パーソンは営業トークや商品知識に磨きをかけること以上に、
人間力そのものに磨きをかけることを忘れてはならない、ということですね。
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