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営業の「かもしれない」とは!?⑦
2014年08月29日
営業の「かもしれない」シリーズも今回で7回目になりますが、
ご好評につきまだまだ続けていきたいと思います。
お客様がこちらの思惑通りに動かず、商談がなかなか前に進まない、という経験は営業パーソンなら誰でもあると思います。
そのとき大切なのことは、お客様は「動かない」のか? それとも「動けないのか?」を見極めることでしたね。
前回のブログでは、
「お客様が動かない要因」は本人の中に原因があるから「本人の原因」を見つけて解決する必要がある、
「お客様が動けない要因」は本人の中に原因はないから「組織の原因」を見つけて解決する必要がある、
ということを述べました。
そして、
お客様が動かない要因=お客様本人の中に原因がある
に焦点をあてて、
商談が前に進まない原因を組織的な権限と情報量という側面から見出し、
対策を考える場合のパターンとして次の4つを定義しました。
①組織的な権限・影響力:強い 情報量:十分
②組織的な権限・影響力:強い 情報量:不十分
③組織的な権限・影響力:弱い 情報量:十分
④組織的な権限・影響力:弱い 情報量:不十分
前回は、この4つのパターンのうち、
「②組織的な権限・影響力:強い 情報量:不十分」を掘り下げ、
このお客様は・・・、
「判断材料が何なのかが分からない」のかもしれない。
このお客様は・・・、
「どう判断したら良いのかが分からない」のかもしれない。
という視点が必要になることを説明しました。
今週も引き続き、この点を掘り下げていきたいと思います。
組織的な権限を持つ目の前のお客様が「判断材料」や「判断基準」に不安を持って最終的な意思決定を躊躇している場合、「新たな情報をどんどん与えれば良いのではないか?」とお考えになるかもしれません。
しかし、お客様自身が「どういう情報が必要なのか」、「その情報をどう判断すれば良いのか」を分かっていない状態で、新たな情報を提供し続けることは本当に有効なのでしょうか?
実は、お客様がなかなか動かない状況の中で、
その対策として一番やってはいけないのが「あらゆる情報をとにかく提供しまくること」なんです。
なぜなら、
情報は増えるよりも絞られていた方が意思決定には有効だからです。
そして、判断基準も絞られていた方が意思決定には有効だからなんです。
つまり何が言いたいのかというと・・・、
お客様が情報量に不安を持っているということは、
抽象的な提案しかできていないのかもしれない
ということを考えなければならない、ということなんです。
ちなみに抽象的な提案しかできていない場合に共通するのは、
「自社の商品・サービスをお客様に知っていただくこと」に主眼を置いた提案、なんですよね。
自社の商品・サービスを知っていただくことに主眼を置くとあらゆる情報を提供したくなります。
仮に様々な情報を提供したとしても、その情報がそのお客様にとって「価値のある情報」かどうかは全くの別問題ですよね。
更にあらゆる情報が提供されることで「自分たちにとってどの情報に価値があってどの情報に価値が無いのか」も分かりにくくなります。
結局、そのことがお客様の判断基準を鈍らせてしまう、ということなんですよね。
『お客様が情報量に不安を持っているのは、抽象的な提案しかできていないからかもしれない』
自分では十分に具体的だと思っていても、お客様から見たら抽象的、なんていうのはよくある話です。
では、提供する情報を絞り、お客様に判断基準を絞ってもらえるようにするためにはどうするか?
より具体的な提案にしていくしかない、ですよね。
そして、より具体的な提案をしていくために必要なのは、
「自社の商品・サービスをもっと深く知っていただくこと」
ではありません。
具体的な提案に必要なのは、
「お客様のことをもっと深く知ること」
ですよね。
そして、お客様のことを深く知るために必要なのは、
「自分はお客様のことを全然分かっていないのかもしれない」
という謙虚な姿勢です。
少し長くなったので今週はここまでにしますね。
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