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坂本龍馬に学ぶ、企業経営の原理原則とは!?
2014年07月04日
日本で初めて設立された「株式会社」ってご存知ですか?
幕末ファンの方であれば知らない人はいないと思います。
そうです。
幕末の傑物、坂本龍馬が中心となって結成した「海援隊(亀山社中)」が日本初の株式会社だといわれています。
幕末における坂本龍馬の活躍をここで述べると少々長くなりすぎるので詳細は控えますが、教科書に出てくるような話としては、
薩長同盟と大政奉還
が有名ですよね。
幕末の混乱期の中、日本が西洋列強に植民地支配されることなく、明治維新を迎えることができたのは、「薩長同盟と大政奉還のおかげ」といっても過言ではありません。
一介の浪人であった坂本龍馬が、これほどの偉大な所業を成し遂げたそのモチベーションはどこにあったのか?
あくまでも歴史上の話なので、今となっては真実は分かりません。
しかし、大事なことは歴史として語り継がれている出来事を自分がどう受け止め、どう自分の人生の糧にしていくか、だと思います。
私は坂本龍馬の所業とモチベーションに企業経営のヒントがあると感じています。
薩長同盟も大政奉還も、坂本龍馬にとっては命がけの所業でした。
「徳川の世を終わらせる」というとてつもない時代の変革期に命を懸けて東奔西走し、多方面で大活躍したわけですから、普通に考えれば「新政府の要人になる」という次のステージが待っているわけです。
しかし・・・、
坂本龍馬は違いました。
次のような逸話が残されています。
大政奉還が成立した直後、坂本龍馬は「新政府の政体案」を西郷隆盛に提示しに行きます。
そして、西郷隆盛は、坂本龍馬の示す「新政府の政体案」を見て驚きます。
新政府の政体案の中に、「坂本龍馬」の名前が無かったからです。
西郷隆盛は坂本龍馬にこう質問します。
西郷「こん中にあるべき坂本さぁの名前がありもはんよ?」
坂本「わしはええ」
西郷「なぜでごわす?」
坂本「わしゃ窮屈な役人になるがは性に合わんきに」
西郷「役人が嫌ならなんばやられもすか?」
坂本「そうさな・・・わしゃ世界の海援隊でもやりますかいのぉ」
坂本龍馬が命を懸けて東奔西走し、成し遂げた薩長同盟と大政奉還。
その目的は、新政府の要人になりたいわけでも、歴史に名前を残したいわけでもなかった。
自由に自分のやりたいことができる新しい日本を創り、
海に出て世界中を駆け巡りたい
坂本龍馬の所業と所業達成後の「そうさな・・・わしゃ世界の海援隊でもやりますかいのぉ」という言葉からは、本来の目的と目的達成のための手段を読み取ることができると思います。
坂本龍馬にとって、薩長同盟や大政奉還は「自由のある新しい日本を創る」ための手段であり、「自由のある新しい日本」が創られてこそ「海に出て世界中を駆け巡る」という本来の自分の目的が達成できる、という構図になるということです。
企業経営に置き換えて考えてみたいと思います。
企業経営は、様々な戦略や施策を実行に移し、売上を向上し、利益を獲得します。
なぜ、坂本龍馬の話を企業経営に置き換えているかというと、売上を上げること、利益を上げること、は手段であって目的ではない、ということを述べたかったからです。
シンプルに比較すると以下のようになります。
企業経営における戦略・施策 = 薩長同盟、大政奉還
企業経営における売上・利益 = 自由のある新しい日本を創る
企業経営における目的・理念 = 海に出て世界中を駆け巡る
企業経営の目指すべきゴールは、利益を獲得することではなく、
獲得した利益を使って「そもそもの目的・理念」をいかに達成するか、ということですね。
だからこそ、企業にとって「経営理念」の存在が重要になってくるわけです。
「経営理念」は、「社会的存在意義」と言い換えても過言ではありません。
「うちの会社は何のために利益を得ているのか?」
経営者のみならず、従業員の方も一度考えてみていただきたいと思います。
ところで・・・、
先ほど紹介した坂本龍馬と西郷隆盛とのやり取りの場に同席していたとされる陸奥宗光(のちの外務大臣)は、坂本龍馬の「そうさな・・・わしゃ世界の海援隊でもやりますかいのぉ」という返答に感銘を受け、後年、何度も何度も回想し、語り継いだとされています。
陸奥宗光の回想録です。
坂本は近世史上の一代傑物にして
その融通変化の才に富める その識見
議論の高き その他人を誘説・感得
するの能に富める
同世代の人能く彼の右に出る者
あらざりき
坂本は一方においては
薩・長・土の間に蟠りたる
恩怨を融解せしめて
幕府に対抗する一大勢力を
起こさんとすると同時に
直ちに幕府の内閣につき
平和無事の間に政権を
京都に奉還せしめ
幕府をして諸侯を率いて
朝廷に朝し 事実において
太政大臣たらしめ、名において
諸侯を平等の臣属たらしめ
もって無血の革命を
遂げんと企てぬ
彼 もとより土佐藩の
一浪士のみ
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