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人は聞くより聴かれたい!?
2014年01月31日
今回は「きくこと」をテーマに進めていきたいと思います。
MCネクストは、営業力の強化をテーマに集合研修やプロジェクト支援を行うケースが多いのですが、この「営業力」の重要な要素の一つである「きく力」は必ずといっていいほどテーマに挙がります。
ちなみにですが、
「聞く」、「聴く」、「訊く」の違いをご存知でしょうか?
ただ単に音・声を耳で感じとる場合は「聞く」
心を落ち着けて注意深く、あるいは進んで耳を傾ける場合は「聴く」
たずねて、答えを求める場合は「訊く」
という表現になるそうです。
営業力の要素となる「きく力」にどの表現を用いるかは、人それぞれの判断があるかと思いますが、私は「注意深く」「身を入れて」という概念が含まれることから「聴く力」を用いるようにしています。
さて、本題に入りましょう。
営業力として「聴く力」が重要なことぐらいは、ほとんどの営業マンが理解しています。
しかし・・・、
なぜ「聴く力」が重要だと思いますか?
と質問すると、
「必要な情報を漏らさず獲得するため」
といった表現に分類される答えが集中します。
実は・・・、
ここに営業力に「差」を生むヒントがあります。
「聴く力がなぜ重要なのか?」の質問に対して「必要な情報を漏らさず獲得するため」と考えるということは、別の表現を使うと「聴く力とは、自分たちに必要な情報が分かっていて、その情報を獲得できる力」ということになります。
つまり「自分が知りたいことを知る力」ということです。
確かに、「自分が知るべきこと」が分かっていて、その情報を「知ることができる」という力は営業マンにとって非常に重要な力です。
しかし、この力だけでは「聴く力」を十分に備えているとはいえません。
なぜ、十分に「聴く力」を備えていないかというと、
「聴く」という行為は、
「自分が知りたいことを知るためだけの行為」ではないからです。
人は相手とのコミュニケーションの中で「言葉のキャッチボール」をするわけですが、「今回、自分が投げるボール」はその前に「相手が投げたボール」にかなりの影響を受けています。
つまり「相手がボールを投げる」⇒「受け止めて考える」⇒「こういうボールを投げ返そうと判断する」⇒「ボールを投げ返す」という行為が瞬時に行われているということです。
十分に「聴く力」を備えている人というのは、
「受け止めて考える」⇒「こういうボールを投げ返そうと判断する」
というプロセスの重要性を十分に理解しています。
分かりやすい表現を使うと、
お客様に「受け止めて考える」というプロセスがあるということは、
「お客様に気付いてもらいたいこと」を考えてもらう機会をつくることができる、ということであり、
お客様に「こういうボールを投げ返そうと判断する」というプロセスがあるということは、
「お客様に投げて返してもらうボール」を絞り込んでもらうことができる、ということを理解しているということです。
つまり、「聴く力」というのは、
①「自分が必要な情報を得る」力であり、
②「相手に気づきを与える」力であり、
③「話の流れを自分が着地させたい方向へと導く」力である、
ということですね。
基本的に、人は「人の話を聴く」よりも「自分の話を聴いてほしい」生き物です。
そのことを十分に理解し、相手に多くを語ってもらいながら、
自分の知りたい情報を獲得し、
気付いてほしいことに気付いてもらい、
自分の意図する方向へと話を導く。
このコミュニケーションを取ることができる営業マンこそが、真に「聴く力を備えた営業マン」だといえるでしょう。
そして、この力は営業マンだけでなく、経営層、マネジメント層にも絶対に必要な力といえます。
部下とのコミュニケーションにも必要な力・・・。
ここはかなり重要なので、また別の機会に述べたいと思います。
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