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企業の成長が生み出す営業マネジメントの課題とは!?⑨
2015年06月16日
経営の神様と言われた松下幸之助氏の残した名言です。
『塩が辛いということは誰でも知っている。砂糖の甘さも誰もが知っていると思う。しかし、砂糖も塩もなめたことがなければ、その甘さや辛さの説明をいくら聞いたところで、実際の味が分かるものではないと思う。仕事にせよ商売にせよ、それと同じことであろう。』
この名言、好きなんですよね。
営業力強化研修の講師を務める際、参加者の方々に必ず次のメッセージを伝えています。
「水泳の本を何冊読んでも、一言一句もらさず頭に叩き込んだとしても、絶対に泳げるようにはなりません。営業力強化研修も同じです。研修を受講するだけでは何の意味もありません。自分なりに研修の場で気づいたこと、感じ取ったことを実践に移してください。実践の中にしか「本物の学び」は存在しません。私は皆さんを成長させることはできません。皆さんを成長させることができるのは皆さん自身です。」
100の理屈よりも1の行動
これからも大切にしていきたと思います。
それでは今週の「企業の成長が生み出す営業マネジメントの課題とは!?」に入っていきましょう。
前回のブログでは、
企業の成長が要因となる以下の3つの「変化」のうち、
①人員面の変化
②営業面の変化
③管理面の変化
3つ目のテーマとして「③管理面の変化」を掘り下げ、その変化のポイントとして、次の2つを取り上げましたね。
(1)パートナー企業が増える
(2)社内の管理業務が増える
今週は前回の続きとして、上記2つの側面で変化が生じたにも関わらず、これまでの刹那的マネジメントを継続してしまった場合、
営業マネジメントの現場でどのような弊害が生じるのかについて考えていきたいと思います。
(1)パートナー企業が増える
企業の成長に伴って販路の拡大を考える、というのは自然な流れですよね。
もちろん販路の拡大には様々な方法が存在しますが、販売代理店の獲得を選択する企業は少なくありません。
自分たちのマーケティング力、販売力だけに依存せず、パートナー企業(販売代理店)の力を活用して売上拡大を目指す戦略ですね。
ちなみにですが、販売代理店って、契約さえ締結すれば自社の製品・サービスを積極的に売ってくれるのでしょうか?
そんなわけありませんよね。
企業対企業の信頼関係を強化し、少しずつ実績を積み上げていくことで、優先的に自社の製品・サービスを提案してくれるようになるわけです。
また、大手企業と販売代理店契約を結ぶことができた場合、その関係づくりは本社筋よりもパートナー企業の各営業所へのアプローチの方が重要になるケースがほとんどです。
要は実際に売ってくれる人にアプローチする必要がある、ということです。
このことを前提にして考えてみましょう。
企業の成長に伴ってパートナー企業が増えていく中で、これまでと同じ力技でのパートナー管理を継続すると、どうなってしまうのか?
難しく考える必要はありません。
まず間違いなく、パートナー企業へのアプローチの状況や、パートナー企業がどれぐらい自社の製品・サービスを積極的に提案してくれているか、
などの重要な情報は、自社の営業担当者に聞かないと分からなくなっていくでしょう。
これってどういうことかお分かりでしょうか?
そうです。
『弱いパートナーシップ』です。
販売代理店に「たくさん販売して欲しい」といくら考えていても、その関係づくりが営業担当者に委ねられた瞬間、販売代理店は営業担当に付いている、という状態になるんですよね。
販売代理店のことは営業担当者が知っている
企業としてあるべき姿ではない、と言い切れます。
また、このような状態が続くと更なる問題を引き起こします。
そうです。
『パートナー育成の遅延』です。
販売代理店は育ててナンボです。
つまり自社の製品・サービスを積極的に提案してくれるということは、自社の「製品・サービス」に関する知識と経験を保有している、とも言い換えることができるんです。
放っておいても勝手に販売代理店が育ってくれるほど甘いものではありません。
属人的に販売代理店の育成を行ってしまうと、誰が担当するかによってパートナー企業の育成に大きな差が生まれてしまうことになる、ということです。
更に怖いのは、
その状況が経営層、マネジメント層から見えない、ということですね。
「あその代理店、全然成果がでないけど、どうなってるんだ?」
マネージャーにそう聞かれた担当者が答えます。
「あそこ、ヤル気ないみたいなんで他を当たろうと思います」
本当に代理店側にヤル気はないのでしょうか?
ヤル気にさせることができていないだけ、かもしれませんよね。
少し長くなったので続きは次週に譲りたいと思います。