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SFA・CRM コンサルティングの現場から⑥
2014年07月29日
『なぜSFA・CRMの導入・活用にコンサルタントが必要か?』をテーマにシリーズ化して進めています。
今週も弊社にコンサルティングを依頼してくる企業の共通点について掘り下げていきたいと思います。
<弊社にコンサルティングを依頼してくる企業の共通点>
・SFA・CRMの経験者が社内にいないので、専門家の助言が欲しい
・社内の組織パワーに問題があるため、外部の力を使ってプロジェクトを推進したい
・企業文化の抜本的な改革が必要な状況であり、内部主導型では難しい
・社内にSFA・CRMを活用したマネジメントのスキルを教育できる人員がいない
先週は、
「企業文化の抜本的な改革が必要な状況であり、内部主導型では難しい」
について述べました。
長年の放置・継続から社員の意識・行動面で「当たり前」になっている企業文化の根深さについて言及した上で、「SFA・CRMの定着」に関する留意点を掘り下げていきましたね。
ポイントは、
「定着する」=「問題が改善される」でなければ意味が無い、
ということでしたね。
ここは本当に重要なテーマなんです。
だから、先週に続いて今週も掘り下げていきたいと思います。
前回は、以下のような状況が「当たり前」になっている企業を例に挙げ、
この企業における「SFA・CRMの定着」について考えました。
・顧客と接触した場合は「活動履歴」をエクセルに残すよう指示しているが徹底はされていない。
・見込案件を共有のエクセルで管理しているが、登録・更新が徹底されておらず、結局は口頭ベースで上司が部下に確認している。
そして、この企業における「SFA・CRMの定着」を
・営業パーソンが「活動履歴」を毎日登録するようになれば「定着した」ことになる
・営業パーソンが「見込案件」を登録・更新するようになれば「定着した」ことになる
と考えてしまうのは「本質を見失っている」ということをお伝えしました。
もう少し詳しく述べると、
営業パーソンが理解すべき本質が何なのかが重要なのであって、
登録や更新は「ただの作業でしかない」ということです。
もう少し掘り下げますね。
例えば・・・、
「活動履歴を毎日登録する」という作業は、
「強制力」と「評価」という2つのパワーを用いれば比較的容易に徹底させることができます。
「活動履歴を毎日登録しないと上司に怒られてしまう・・・」
「活動履歴を毎日登録しないと評価を下げられてしまう・・・」
営業パーソンがこのマインドでSFA・CRMへ登録・更新する作業を継続できたとしても、根底にあるのは「やらされ感」です。
人間は、「やらされ感」で動くと「必要最低限のこと」しかやろうとしません。
つまり・・・、
「活動履歴を毎日登録する」ことを「定着」のゴールにして、
「活動履歴を毎日登録する」ことが「徹底」できたとしても、
「活動履歴を毎日登録する」ことの「根底」がやらされ感であれば、
その活動履歴は「価値の無い」情報にしかなり得ない、ということです。
重要なことは、
「活動履歴を毎日登録する」こと、ではありません。
「活動履歴」そのものの「狙い」と「重要性」を理解し、
実際の「行動」を継続し、
「意識」の変革を図ること、
が重要なのです。
その上で・・・、
営業パーソンとしての成長を図ること、
営業マネジメントのPDCAが高い精度で機能すること、
が何よりも重要だといえるのです。
何のために活動履歴を登録するのか?
どのような活動履歴を残す必要があるのか?
必要な活動履歴を残すために顧客とどう接触すべきなのか?
顧客との接触の仕方について自分は何を変えなければならないのか?
蓄積された活動履歴はどのように活用することができるのか?
「なかなか定着しない」とお悩みの企業の方。
大切なことは本質を営業パーソンに理解してもらうことです。
そのための教育・トレニーングの重要性を認識していますか?
「うちの会社は既に定着している」とお考えの企業の方。
営業パーソンは上記の質問事項にきちんと答えられそうですか?
活動履歴として登録されている内容は、顧客情報として活用できていますか?
活動履歴が「ボク、頑張ってます!」のアピールになっていませんか?
何をもってして「SFA・CRMが定着した」と判断するのか?
答えは企業によって千差万別です。
しかし・・・、
「ただの作業」を定着のゴールにだけはしないでくださいね。
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