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SFA・CRM コンサルティングの現場から④
2014年07月15日
今週も『なぜSFA・CRMの導入・活用にコンサルタントが必要か?』について、弊社にコンサルティングを依頼してくる企業の共通点を掘り下げていきたいと思います。
<弊社にコンサルティングを依頼してくる企業の共通点>
・SFA・CRMの経験者が社内にいないので、専門家の助言が欲しい
・社内の組織パワーに問題があるため、外部の力を使ってプロジェクトを推進したい
・企業文化の抜本的な改革が必要な状況であり、内部主導型では難しい
・社内にSFA・CRMを活用したマネジメントのスキルを教育できる人員がいない
先週は、「SFA・CRMの経験者が社内にいないので、専門家の助言が欲しい」について述べました。
戦略の実行、営業のPDCAサイクル、営業マネジメントなどに課題を抱えている企業がSFA・CRMを導入する場合の本質は、人間に焦点を当てた戦略の実行、営業のPDCAサイクル、営業マネジメント、に関するルールの定義とその真意の理解、運用を通じた行動・意識の改革にある、ということでしたね。
この本質を理解すれば「SFA・CRMの経験者が社内にいないので、専門家の助言が欲しい」という感情は自然にわいてくるはず、とも述べました。
まだまだSFA・CRMの導入に関する認識は甘く、
「自分たちだけでなんとかなるだろう」という甘い妄想を抱いている企業が多いので引き続き本テーマを進めていきたいと思います。
今週は「社内の組織パワーに問題があるため、外部の力を使ってプロジェクトを推進したい」です。
SFA・CRMの導入・活用を妨げる大きな要因の一つに「組織パワー」があります。
分かりやすい例を用いて考えていきましょう。
組織パワー = 経営企画部 < 営業部
A社は営業部の組織パワーが大きい企業です。
営業部のマネジメントはかなり属人的な形になっており、顧客や見込案件の状況を組織として把握することが困難でした。
そこで経営層から経営企画部に指示が出されました。
「顧客情報や案件情報が把握できるように何か考えなさい」
経営企画部は「顧客管理、案件管理といえばSFA・CRM」ということで、早速調査に乗り出します。
複数のツールベンダーのプレゼンテーションを見ることにしました。
3社ほどのツールに絞り込み経営層に報告しました。
すると営業部を管掌する役員から次のように指摘されました。
「SFA・CRMを入れるのは良いけど営業部の負担にならないようにしなければならない」
「負担になるようなら営業パーソンはSFA・CRMを使わないだろう」
「営業パーソンは足で稼いでナンボなのだから」
この瞬間・・・、
経営企画部のミッションは、
「営業部が受け入れてくれるツールを選ぶこと」
になってしまうのです。
経営企画部のメンバーはツールベンダーとの面談を重ねます。
「営業パーソンの負担にならないツールを選ぶよう経営層から指示が出ている」
「営業パーソンが喜んでくれるようにしないと使ってくれないと思う」
「営業パーソンが喜んでくれるにはどうすれば良いのか?」
ハッキリ言って、このパターンではSFA・CRMの導入に成功することは難しいでしょう。
SFA・CRMの導入は、ある意味「営業マネジメントの変革」であり、
これまでの「属人的なマネジメント」から脱却する千載一遇のチャンスなのです。
つまり、営業部には現状の改善すべき点をしっかりと理解してもらい、これまでのやり方を変えることをコミットしてもらう必要があるのです。
分かりやすい言い方をすると、
「営業部に覚悟をもってもらう必要がある」ということです。
残念ながらこの会社は、
経営企画部 < 営業部
という構図です。
元々、「営業マネジメントの改善の必要性」から指示が出された話であるにも関わらず、
気が付けば「営業部が受け入れてくれるツールを選ぶこと」が最優先されている。
そして、プロジェクトの位置付けは「新しいITツールを導入すること」ということなっている。
経営企画部が考えるべきなのは、
「営業部が受け入れてくれるツールを選ぶこと」
ではありません。
経営企画部が考えるべきなのは、
「自社の営業部のマネジメントのあるべき姿を描くこと」
なのです。
経営企画部 < 営業部
という構図の企業で「営業部のマネジメントのあるべき姿」を経営企画のメンバーだけで描き、実際に営業部を突き動かすのは簡単なことではありません。
このような企業が「営業部のマネジメントのあるべき姿」を描き、SFA・CRMを活用して「営業変革」を進めていくためには、営業変革のノウハウを持つコンサルタントの存在が絶対に必要です。
コンサルタントの強みの一つに「第三者的な立場」というものがあります。
社内の組織パワー、すなわちシガラミに囚われない存在ということですね(もちろん配慮はします)。
この本質を分かっている企業であれば、
「社内の組織パワーに問題があるため、外部の力を使ってプロジェクトを推進したい」という感情が自然とわいてくる、と私は考えています。
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