- ホーム >
- PDCAサイクルの本質とは!?⑩
PDCAサイクルの本質とは!?⑩
2014年05月20日
「PDCAサイクルの本質とは!?」をシリーズ化してから10回目を迎えました。
永続性と成長性が求められる企業経営において、PDCAサイクルは最も重要な「基本要素」といえるわけですが、冷静に考えれば、企業経営に限らず人生もPDCAサイクルが「基本要素」だと思うんですよね。
人生は・・・、
P:無計画に生きるより、ビジョンや夢を持って計画的に生きた方が、充実しそうですよね。
D:自分の目指す方向に向けて、計画を実行に移せた方が、良い結果が得られそうですよね。
C:自分の起こした行動と結果を振り返り、素直に反省した方が、人として成長しそうですよね。
A:反省するだけでなく、具体的な改善に取り組んだ方が、もっと成長、もっと良い結果が得られそうですよね。
企業経営のPDCAサイクルも、人生のPDCAサイクルも、
本質は同じ、ということです。
唯一異なるのは、
企業経営のPDCAサイクルは、人間一人では完結しない、ということですね。
それでは、本題に戻りまして、
今回もシリーズ化している「戦略実行のPDCAサイクル」をテーマに進めていきたいと思います。
前回のブログでは、
SFA・CRMやPDCAサイクルの運用ルールの構築に失敗する企業を以下の2つに分類し、
失敗ケース①:「現場目線」を軽視し過ぎてしまった
失敗ケース②:「現場目線」を重視し過ぎてしまった
組織として何か新しいルールを構築するときに最も注意が必要なのは、「その企業における組織パワーのバランス」であることを述べました。
そして、「組織のパワーバランス」を以下の2つに分類し、
「部門間のパワーバランス」
「上下間のパワーバランス」
企業によって「部門間のパワーバランス」も「上下間のパワーバランス」も異なるので、その両方を考慮しながら「現場目線」を取り扱う必要がある、
とご説明しました。
要は・・・、
企業における理想的な運用ルールは、そのルールを決めるプロセスも含めて千差万別である、
ということでしたね。
今回は、この理想的な運用ルールの現場への展開について述べていきます。
まず・・・、
「現在の状況」と「あるべき姿」にギャップが大きい場合、「あるべき論」をそのまま現場に展開してしまうと「現場がついてこない」ということは容易に想像できると思います。
「あるべき姿」を描くことは、とても重要ですが、「あるべき姿」を現場に展開するときは、細心の注意が必要になる、ということですね。
具体的に、何に注意すべきか?
それは・・・、
「具体性」と「タイミング」の2つです。
「具体性」については、これまでのブログでも頻繁に述べてきました。
要は・・・、
「現場がやるべき部分」と「現場の裁量に任せる部分」を、
明確に定義する、ということです。
ざっくりした内容のまま、現場に新しいルールを展開してしまうと、その運用ルールは「人の行動」にまで繋がらないことになります。かといって、「現場の裁量」を必要以上に奪ってしまうと、逆に反発を買ってしまい、やはり「人の行動」にまで繋がらない結果を招いてしまいます。
次に「タイミング」です。
要は・・・、
いきなり「あるべき姿」の実行ルールを現場に展開するのではなく、
段階的にリリースしていきましょう、ということです。
別の言い方をすると・・・、
「マイルストーン」を決めて、あるべき姿の実現に一歩ずつ近づいていきましょう、ということですね。
SFA・CRMやPDCAサイクルの新しい運用ルールが現場に根付き、会社としての文化にまで昇華できるかどうかは、このマイルストーンの設定の仕方に懸っているともいえます。
企業は、そこに関わる人間によって文化が形成されます。
人間がいきなり変われないのと同じで、企業もいきなりは変われません。
どれだけ優秀な人間で構成される組織であっても、長年染みついた企業文化をいきなり大幅に変革することは難しいのです。
PDCAサイクルはスパイラルアップを前提に考えるべき概念であり、いきなり変わることはできない、という原理原則を受け入れ、企業の変革もスパイラルアップで進めいきましょう。
ちなみに・・・、
最も難しいのは『マイルストーンをどのように設定すればよいか?』なのですが、これはまた別の話としますね。
- «前の投稿
PDCAサイクルの本質とは!?⑨ - »次の投稿
SFA・CRM導入のマイルストーンとは!?