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PDCAサイクルの本質とは!?⑥
2014年04月22日
今週もシリーズ化している「戦略実行のPDCAサイクル」をテーマに進めていきたいと思います。
前回は、「戦略実行のPDCAサイクル」を最適に運用するための留意点として次の2点を説明しました。
1.組織の上位にあたる立場の方は、戦略実行に向けて下位の人員が何をモニタリングしているかを把握している必要がある。
2.自分たちが「C」している指標と、マネジメント層や現場層が「C」している指標に関連性を持たせる必要がある。
ある意味、組織的なマネジメントを現場任せにしないための留意点を述べたわけですが、今回は少し観点を変えて「営業の属人化」について述べたいと思います。
SFA・CRMの導入を検討されている企業の方とお話をしていると「営業の属人化」を問題視されているケースが多々あります。
ちなみに 「営業の属人化」を問題だと提起する前に、ハッキリさせておくべきことがあります。
それは・・・、
営業とは属人的なものである、ということです。
そして・・・、
「営業の属人化」と、「マネジメントの怠慢」を一緒にしてはいけない、ということです
◆『営業とは属人的なものである』
現場の最前線の営業活動では、
「人と人とのコミュニケーション」が軸になります。
すなわち・・・、
お客様のことを知る力
自社の商品・サービスの魅力を伝える力
最短で商談をクローズさせる推す力
といった「力」がコミュニケーションを通じてどう発揮されるのかが勝負であり、これらの力は属人的なものといえるわけです。
◆『「営業の属人化」と「マネジメントの怠慢」を一緒にしてはいけない』
・営業が属人化しているため営業の状況が分からない
・顧客の情報や案件の進捗状況が分からない
といった問題認識をお持ちの企業が非常に多いです。
ちなみに・・・、
営業の状況が分からないとすれば、現在のマネージャーは何のために存在するのでしょうか?
顧客の情報や案件の進捗状況を共有することの重要性は理解してるのに、なぜ管理しようとしないのでしょうか?
もうお分かりですよね。
これらの問題は「営業の属人化」の問題ではなく、
「マネジメントの怠慢」の問題なのです。
「営業の属人化という問題がある」
→解決の方向性は「営業の見える化」
→そのために「SFA・CRMの導入」
といったロジックで自社のSFA・CRMツールを提案してくるベンダーが存在しますが、「事の本質を見失っている」と私は考えます。
SFA・CRMは営業の属人化を解消するツールではありません。
また、日報の内容からナレッジを共有するツールでもありません。
もっと言うと・・・、
「営業の見える化」は手段の話であって、SFA・CRMを導入する目的ではありません。
SFA・CRMは「戦略実行のPDCAサイクル」の継続的な運用を通じて「マネジメントの怠慢」を是正し、
マネージャーの「部下をマネジメントする力」
営業担当者の「自分をマネジメントする力」
を高め、企業としての成長を図っていくために利用するツールです。
マネジメントの怠慢を放置すると、
機会損失が起こっていてもその事実を把握することができない
営業本人の「精一杯やっているつもり」がまかり通ってしまう
顧客との関係づくりが1人の営業担当者のみに委ねられてしまう
といった問題が生じます。
マネジメントの怠慢は、顧客満足の低下を招きます。
そして・・・、
属人的な営業の力といえる
お客様のことを知る力
自社の商品・サービスの魅力を伝える力
お客様の個別事情を考慮しながら最短で商談をクローズさせる推す力
の向上は「別の話」であることをお忘れなく。
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