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PDCAサイクルの本質とは!?④
2014年04月08日
東京のサクラは、ほぼ葉桜になり、日中は新緑がまぶしい季節になりました。
来週、出張で札幌に行くので、「まだまだ桜を楽しむことができるぞ!!」と意気込んでいたら「札幌の桜の満開は5月3日ごろ」とのこと。さすがに桜の満開に合わせて出張スケジュールを組むわけにもいかず、残念ながら今年の桜を楽しめるのも残りわずかとなりました。
いずれにしても、季節の変わり目を楽しみつつ、己のミッションに全力を尽くしたいと思う今日この頃です。
それでは本日の『SFA・CRM本音ブログ』に入っていきましょう。
今回もシリーズ化している「PDCAサイクル」について述べたいと思います。
前回のブログでは、
「PDCAサイクル」の運用を妨げる要因について「人」を軸にして考えました。
要は、リーダーが会社のビジョンや目標、計画の本質を理解せずに「やらされ感満載なマインド」でPDCAサイクルに取り組んでしまうと「PDCAサイクル」の「A(改善)」が機能しなくなることをお伝えしました。
今週もこのテーマを掘り下げていきます。
PDCAサイクルの「C」に注目していきたいと思います。
経営のマネジメントに関して「見える化」というキーワードを耳にしたことがあると思います。
「見える化」をテーマにしたビジネス書籍もたくさん発売されており、
遠藤功著『見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み』はベストセラーにもなりました。
確かに経営において「見える化」は大事なことなのですが、大切なことを忘れてはいけません。
それは・・・、
「見えること」そのものは大して価値が無い、ということです。
「見える化」の重要性や、「見える化」の方法論については、多くの書籍で述べられていますし、ツールを使って「見える化」することを訴求するツールベンダーも多々あります。
しかし、「実は見えることそのものには大して価値がない」ということを頭の片隅に置いて「見える化」を考えるようにしてください。
なぜ大した価値が無いといえるのか・・・。
それは、「見えた後、どうするのか?」が最も重要だからです。
「見えた後、どうするか?」はツールや方法論の問題ではありません。
これは、明らかに「人間側の問題」です。
分かりやすく「例」を出して考えてみましょう。
例えば、飛行機にはたくさんの計器が備えられています。
全ての計器は「飛行機を安全に飛行させるために絶対に必要な計器」だからこそ設置されています。
これは、パイロットが「見るべき情報」を「見える化」しているということです。
ここで考えていただきたいのは、
私がコックピットに座っても
それぞれの計器が示す情報は目に飛び込んでくる、
ということです。
つまり「見える化」された情報を「見ることができる」ということです。
コックピットの計器が示す情報が私に見える・・・。
その結果・・・、
「で?」
ということなんです。
私には飛行機を操縦する知識も経験もありません。
飛行機を操縦したいとも思わないですし、経験を積もうとも思いません。
そんな私に「飛行機を安全に飛行させるために見るべき情報」を見せられても全く価値はありませんよね。
つまり 「見える化」とは、
「見えること」そのものに価値があるのでは無く、
見えた情報に基づいて「何らかの判断をして行動すること」に価値があるのです。
もうお分かりだと思うのですが、
これって「人間側」に価値の源泉があるってことですよね?
そうなんです。
見える化する手段に価値があるとはいえないのです。
経営のマネジメントを行う上で、戦略の実行状況が「見える化」されることはとても重要です。
しかし、
「見える情報」に基づいて、人が動かなければ、そこには何の価値も生まれないということです。
つまり「経営の見える化」を考えるときに真っ先にやるべきことは、
「情報を見る立場になる自社社員の能力を見極めること」であり、
「その能力に応じてどうマネジメントしていくか?」
「その能力に応じてどう教育していくか?」を考えること、
ということです。
間違っても「経営の見える化」=「ツール」などという短絡的な思考に陥らないようにしてください。
自社の営業上の戦略は何か?
自社の営業上の課題は何か?
戦略の実行と課題解決のために何を社員に見せる必要があるのか?
その情報を見た社員はどう判断し、どう動く必要があるのか?
社員が最適な判断と行動ができるようにするために何が必要か?
・・・そもそも、これが見えていますか?
「見える化」はあくまでも手段です。
目的でもゴールでもないことをお忘れなく。
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