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PDCAサイクルの本質とは!?②
2014年03月25日
前回より「PDCAサイクル」をテーマにしています。
「PDCAサイクル」はビジネス用語としてあらゆる場面で用いられますが、
今回のテーマでは「戦略実行のPDCA」に焦点を絞って話を進めていきたいと思います。
「PDCAサイクル」はマネジメントの中枢になる非常に重要な概念といえますので、気合を入れてお読みいただければ幸いです。
前回は、「戦略実行のPDCAサイクル」の要素を以下のようにご説明しました。
「戦略」という名の計画(PLAN)があって、
「戦略実行」という行動(DO)があって、
「実行結果」という指標(CHECK)があって、
「戦略実行の最適化」という改善(ACTION)がある。
その中で、「戦略実行のPDCAサイクル」の中で最も重要な要素は、
「P(計画)」である、
ということをお伝えしました。
そして、「P(計画)」そのものが「P(計画)」と呼ぶに値しないレベルだと、PDCAサイクルは機能しないことをご説明しました。
「P(計画)」そのものが「P(計画)」と呼ぶに値しないレベル・・・、
それは、
「P(計画)」と「C(指標)」が繋がっていない、
というところまでを前回のブログで説明しました。
今回は先週の続きで、「P(計画)」と「C(指標)」が繋がっていないについて深く(分かりやすく)考えていきたいと思います。
①現場の実行レベルまで落とし込まれない計画
私はこれまで、数百社にも及ぶ企業の「〇ヶ年経営計画書」や「〇〇期事業計画書」などを目にしてきました。
その中の表現として、
「○○を強化して売上・利益の向上を図る」
「〇〇の向上を図り、生産性を高める」
「新規商品〇〇の販売を強化し、新規顧客の開拓を図る」
といったものが多々ありました。
何が言いたいのかと言うと、
「どうやってやるの?」
「何ができれば良いの?」
「成果は何で図るの?」
「その成果はどうやって集計するの?」
という疑問符をつけざるを得ない表現になっているものがあまりにも多いということです。
経営方針発表会の場などで、経営層や各部門のリーダーが発表する内容について、
「なんとなく分かる」ことはできても、
「具体的に何をやればよいのか分からない」メンバーは少なくないはずです。
②「目標」「方向性」「手段」「成果」の区別がついていない計画
次に計画として掲げている内容の属性が曖昧になっているケースも多々あります。
「これは『目標』のことを言っているの?」
「何らかの『方向性』のことを言っているの?」
「具体的な『手段』のことを言っているの?」
「結果となる『成果』のことを言っているの?」
ひどいケースだと、「戦略」という表記を使いながら、「売上目標」しか明示していないものまであります。
③抽象的な方向性だけ示して具体策は現場任せの計画
最後に経営層が次のように考えているケースです。
「ざっくりと方向性は示したんだから、あとは現場で考えろ」
この考え方を全否定はしません。
大きな組織の場合、具体的なPDCAサイクルまで経営層のレベルで考えることはできないからです。
しかし、「ざっくりと方向性は示したんだから、あとは現場で考えろ」の後に、全てを現場任せにするのは好ましくありません。
少なくとも、示した方向性を軸に、
「何をするのか」
「どのような成果を生むのか(プロセスと結果)」
「その成果をどうモニタリングするのか」
を現場に考えさせ、明確に報告してもらうよう働きかけなければなりません。
ざっくりとした方向性だけを示し、あとは現場任せ。
そうなったら当然のように現場の実行もざっくりしたものになり、気が付けば、「売上」と「利益」の結果だけを見て、「良かった」「悪かった」という話をすることになります。
そして、何よりも一番怖いのは・・・、
この「ざっくり」したマネジメントが、その企業の文化になってしまうことです。
「何をすれば戦略を実行したことになるのか?」
自分たちの策定した戦略や計画は、「人が動く」レベルに達しているかどうかを、今一度、ご確認いただきたいと思います。
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